ねずみのえんそく もぐらのえんそく(絵本)土を境に上下を上手く利用しています

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絵本レビュー


『ねずみのえんそく もぐらのえんそく』

藤本四郎 著
ひさかたチャイルド 出版
おすすめ年齢:2~5歳児

■あらすじ■
ねずみ園ともぐら園では今日は遠足の日でした。
土の上と土の中でそれぞれが担任の先生の言うことを聞いて準備をしています。

さあ出発。どちらの園の子ども達も遠足にうきうきしています。
ねずみ園の子ども達は落ちているどんぐりを蹴ったり、
ツタでブランコしたりしています。

もぐら園の子ども達は石に頭をぶつけたり、
根っこでブランコしたりしています。

すると土の上にも下にもいろいろな動物がいて…




■レビュー■
同じ場所の土の上と下で二つの保育園が遠足に出かけている様子が描かれています。

お互いの子どもが行った行動で、
反対側の子どもに影響が出ているのが面白いです。

例えば、土の中でもぐら園の子どもが天井から出ているヒモを引っ張ると、
それは土の上に顔を出している蛇の尻尾部分だったので、
びっくりした蛇が土の上のねずみ園の子どもを驚かせたり、

ねずみが地面の穴にどんぐりを蹴り入れると、
それが土の中に落ちてきてもぐらにぶつかったりと
上下にも関係性が見られます。

この絵本はナレーションや文章がほとんど無く
絵の様子で聞き手の子ども達に内容を伝えています。

そのため、読み手がそのまま読むのも良し、
いろいろな説明やナレーションをつけ足しても面白いでしょう。

上の蛇の場面でいうと、
「もぐら園の子ども達は天井からぶら下がっているヒモをふざけて引っ張ってみました」
「でもそれはヘビさんだったのです。土の上のねずみ園の子ども達はびっくり!」
といった具合です。

もちろん、元々そういった文章は無いので、
こういった補足台詞を言わなければいけない、といった決まりはありません。
なので読み手にとっても自由にアレンジができるので読み応えがあります。

■読んだ子どもの姿■
上下に別々の展開が描かれているため、
子どもの視線も上下に絶え間なく動いて
ページに描かれている情景をしっかりと見てくれます。

年齢の低い子どもに聞かせる場合、
書かれた文章以外のアレンジを入れると、
絵本のどの部分に注目するかの道しるべとなり、
「水が出てきたね」などの行動の変化に反応してくれます。

最後のさつまいもを土の上と下から同時に引っ張る場面では、
「どっちからも引っ張ってるから抜けないよ」
などと冷静なコメントをしてくれる子どももいます。

保育士であれば、
「みんなの遠足の時も違う園の友達がいたら仲良くしようね」
と読後に言葉かけると遠足に期待が持て、
実際に他園と遭遇した時に良いでしょう。

上下をワイドに利用した絵本は一度ご覧ください。

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