おれはティラノサウルスだ(絵本)子どもは両親の話をよく聞いているんですね

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絵本レビュー


『おれはティラノサウルスだ』

宮西達也 著
ポプラ社 出版
おすすめ年齢:3~5歳児

■あらすじ■
恐竜が住む島に夫婦のプテラノドンがいました。

二人には卵から一匹のプテラノドンが産まれて、
雨が降ったら葉っぱをかけて守ってあげたり、
餌をとってきてあげて大切に育てました。

プテラノドンの子どもは父さんから空の飛び方を教えてもらいましたが、
まだ完全には飛べないまま、両親とお別れの日がやってきました。

プテラノドンの子どもが寝ている間に両親は飛び立ってしまい、
目を覚ましたプテラノドンは泣いて叫びましたが、
その様子を見て、ティラノサウルスが食べようと忍び寄ってきて…




■レビュー■
子ども、特に男の子に人気な恐竜を題材にした、宮西達也さんの作品。
独特なタッチのイラストで書店でも思わず目を引くでしょう。

彼の恐竜シリーズは『おまえうまそうだな』が一番有名ですが、
僕はこっちが一番好きです。

自分を狙ってきたティラノサウルスが怪我をして動けなくなり、
お父さんの「ティラノサウルスはおそろしいやつ」という言葉と、
お母さんの「困っている人がいたらどんな人でも優しくしてやるのよ」という言葉に
揺れ動き、最終的に介抱をしてあげる姿がとても優しくて温かい気持ちになれます。

タイトルの「おれはティラノサウルスだ」という台詞も
話の流れから重要かつ自然に出てきており、
大人でもなるほど、と感心していまいます。

最後にはすれ違ってしまうのですが、
プテラノドンの子どもは空を飛べるまで立派に成長し、
ティラノサウルスは種族を越えて優しい気持ちを持ったことがすばらしいなと感じました。

■実際に読んでの子どもの姿■
プテラノドンの子どもが岩山のてっぺんに取り残された後、
ティラノサウルスが狙っている描写を見て、
「危ない危ない」「下から来てる!」と
まるでドリフの大爆笑の時のようなリアクションをとってくれます(笑)

年長児になると、
「プテラノドンの子どもがお母さんにしてもらったように優しく優しく」
のところで、
「そういえばお母さんが言ってた」などと過去のページの内容も覚えています。

子ども達にとって一番好きな存在である両親の言葉をしっかりと聞いて心に刻むきっかけを
つくるにはもってこいの絵本だと思います。

保育参観のシーズンにぜひ

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