あしたも ともだち(絵本)不器用だけど心優しいオオカミがクマを看病する姿に心温まります

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絵本レビュー


『あしたもともだち』

内田麟太郎 作
降矢なな 絵
偕成社 出版
おすすめ年齢:3~5歳児

■あらすじ■
乱暴者のオオカミと活発なキツネは大の仲良しです。
今日もクマのからかい歌を唄いなが一緒に遊んでいました。

「クマは まったく こまった やつだ
りっぱなきばが ありながら クリやなんかを たべたがる
こまった くまった くまった こまった♪」

ところが遊んでいる途中に
木の陰でクマが倒れているのをオオカミは見つけました。
「大丈夫か」とすぐに駆け寄ろうとしたオオカミですが、
キツネに優しい事をする姿を見られたくないので、

急にキツネに「遊ぶのを止めて帰る!」と言って、
キツネを置いてけぼりにして
こっそりクマの所へ行き、肩を貸して家まで送ってやりました。

クマは木から落ちたらしく大けがをしていたので、
オオカミは毎日看病をしに出掛けました。
キツネにバレないようにこっそりとしていると…




■レビュー■
仲良しオオカミとキツネが出てくる「おれたちともだち」シリーズの絵本です。
個人的に私の一番好きなお話です。

オオカミは森一番の乱暴者という自分のイメージを覆したくないのですが、
怪我をしているクマをほっとけません。
キツネと一緒にクマをからかう歌を唄っているくせに、
心の中ではクマを心配している姿はとても可愛らしいです。

キツネもキツネですごく純粋な性格をしているので、
クマのところへ行くためにつくオオカミの嘘をことごとく間に受けます(笑)
「ちょっと用がある」「勉強で難しい本を読まないといけない」
といった嘘も愛嬌があります。

勉強をしていると信じているキツネが
クマの所へ行くオオカミの姿を見つけたページはとても描き方が上手く、
背景を黒にしているところがキツネの心の中の落胆ぶりをよく表しています。

最終的にはオオカミの優しい姿を見て嬉しく思うキツネと、
クマが元気になって内心嬉しいオオカミでハッピーエンドで
とても後味が良い作品となっています。

■読んだ子どもの姿■
この友達シリーズは、降矢ななさんの絵が少しクセがあり、
一番最初に読む時には子ども達が入りにくいかもしれませんが、
オオカミとキツネの織り成す子どもくさい行動に
「あしたもともだち」読んでーとアンコールを要求するぐらい
引き込まれるでしょう。

オオカミがクマを看病する場面では、
「優しいね」とオオカミに言ったり、
年長児になると、「クマに意地悪言ってるけど助けてあげてる」
と子どもならではの心の恥ずかしさに触れて興味を持っています。

「こまったくまった」の歌も音程が不明ですが、
読み手が歌の様にメロディーをつけて読むことで、
子ども達も覚えて一緒に唄ってくれるでしょう。

友達とのやりとりを垣間見れたり、
読後の後味のよい絵本ですのでぜひ

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