中川ひろたか 文
村上康成 絵
童心社 出版
おすすめ年齢:3~5歳児
■あらすじ■
「おおきくなる」ってどういうことなんだろう?
大きくなるとどうなるんだろう?
考えてみるといろいろなこと思い浮かびました。
おおきくなるってことは、
洋服が小さくなるってこと
おおきくなるってことは、
歯が生えてくるってこと
大きくなると、
水に顔を浸けられるし、
高いところに登れるし、
何でもかんでも食べたりしない
いろいろなことが出来たり、上手になってり考えられるようになります。
おおきくなるって素敵なことですね!
■レビュー■
子ども達は生まれてまだ間もないから子どもです。
お父さんお母さんや親せき、先生、兄弟など、
自分よりも大きい人達に囲まれて生活をしていますので、
大きくなることを自然と実感していますが、
具体的に大きくなるってどういうことなのかを描いた、
シンプルな絵本となっています。
水に顔が浸けられるようになる、高いところに登ることができる等
子ども達が成長の中で経験することを描いているため、
成長の見通しを子ども達に伝えることができます。
また、子どもの視点で表現されているので、
大きくなると「身体が大きくなって服がキツクなる」ではなく、
「服が小さくなる」という実際には違うのだけど、
子ども視点ではそう見える表現をしていて、
とても子どもが感情移入しやすくなっています。
大きくなるとできる内容も、
ただ単に技能が上達するような内容ばかりでなく、
「飛び降りても大丈夫かどうか考えられること」
「自分より小さい人が増えること」
など考え方についても触れていて、
年長児にも良い影響を与えてくれます。
左右の見開きページで段落が区切られているので、
読み聞かせる大人も読みやすく、
子どもも疲れずに見ることができるでしょう。
■読んだ子どもの姿■
3歳以上の幼児期に読んでみると、
自分の成長について考えるきっかけになると思います。
本を読んでいる途中に、
「ぼくも高いジャングルジム登れるようになった!」
「シャンプーで頭洗えているよ」
などと、自分できているかを報告してくれます。
下の兄妹がいる子なら、
弟や妹のことを意識するようになるでしょう。
当たり前の話ですが、年長児に向けて、
「年長さんが自分より小さい子が一番多いでしょ。
だから一番上のお兄ちゃんお姉ちゃんなんだよ。」
と読み聞かせ後に話すことにより、
年長児も大きくなった自覚が芽生えるきっかけになり、
それを喜ぶ姿が見られます。
読みやすくて、子どもの成長の見通しにもなる
とてもおすすめの絵本ですのでぜひ。
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