きむらゆういち 著
江川智穂 絵
世界文化社 出版
おすすめ年齢:2~4歳児
■あらすじ■
うさぎちゃんは外で遊ぶのが嫌いです。
きつねくんが鬼ごっこしようと誘っても
「どうせ捕まるから嫌」
さるくんが縄跳びしようよと誘っても
「上手く跳べないから嫌」
などと言っておうちで絵本を読んだり、お絵かきをします。
たぬきくんが「かくれんぼしようよ」
と言ってきましたが、うさぎちゃんは当然
「嫌、すぐに見つかっちゃうから」
と言いました。
するとさるくんに「じゃあ鬼になればいいじゃん、みんなを見つければいいんだよ」
と言われてうさぎちゃんはやってみることにして…
■レビュー■
よくいるなんでも「嫌」と言う子があるきっかけを機に友達と外で遊ぶようになるお話です。
保育士をしていたり、お子様がいる方には、
外遊びがあまり好きでない子どもを心配していることがありませんか。
外遊びの楽しさや充実感をうまく知ってもらえると、
自然に遊ぶようになると思います。
この絵本の中では、「鬼に捕まるのが嫌」なうさぎちゃんに、
さるくんが「じゃあ見つける方になればいい」と提案しています。
大人の目線から言うと「探すのも上手くできなかったら嫌じゃないのかな?」
と思ってしまいますが(笑)、
子どもにとって何がきっかけで心が動くかは大人が想像できないものです。
今回は心優しい友達のおかげでうさぎちゃんも外遊びの充実感を得られたのだと思います。
絵本としても仕掛けがいっぱい。
動物達が隠れた見開きのページには、
「ウォーリーを探せ」のように動物を探すこともできますし、
カレーを煮込んでいるページのカレーの部分をこするとカレーの匂いがする仕掛けもあり、
絵本を読むだけでない楽しみ方もできます。
■読んだ子どもの姿■
外遊びが嫌なうさぎちゃんの発言に、
年少児なら「嫌々言ったらダメだねぇ」などと言いますが、
年長になると「確かに暑い日とか外嫌なときあるね」
などとうさぎちゃんの気持ちに共感する姿も見られます。
動物が隠れているページを開くと、
「いたー」「そこー」などと声を出して見つけたり、
カレーの匂いのページをかがせてとせがむようになります。
お話も分かりやすく、登場人物も動物なので、
とても読みやすいと思います。
ぜひどうぞ
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