内田麟太郎 著
西村繁男 絵
童心社 出版
おすすめ年齢:2~5歳
■あらすじ■
ある駅に電車が来ました。
お客さんがたくさん乗りました。
子どもを連れた家族、おじいさんおばあさん、サラリーマン、
電車はいろいろなお客を乗せて出発しました。
町を抜けて、山を越えて、次の駅に着くとお客さんが…
■レビュー■
最初に書いておくと、この絵本は字がとても少ないです。
その代わりに絵の描き込みがたくさんです。
お客さんの一人ひとりの家族背景や状況が分かるように描いてあり、
線路を進むときに通った場所の背景もとても細かく描かれています。
電車が線路を走っている時の文字は「がたごと がたごと」のみというシンプルさ。
自然と絵に目がいきます。
最初は普通の街並みを走っていた電車も、
赤い川が流れる恐ろしい場所や、
江戸時代の様な街並みを走ったりと、
いろいろな場所を走るので見ていて楽しくなるとともにわくわくするでしょう。
降りたお客さんの姿が変化しているのも楽しいですね。
お化けになっていたり、江戸時代の人になったりと、
子どもの知識の元になりそうです。
■読んだ子どもの姿■
2~4歳児だとまず電車にくぎ付けになり、
お客さんの姿が変わったことに最初は気が付かないでしょうが、
電車が進む場所が変化したことにはすぐに気づき、
「長いトンネルだなー」「雷鳴ってて怖い」などと背景について反応をしてくれます。
年長児になると、お客の見た目の変化に驚くとともに、
「次はどんなのに変身するんだろう」と、
お客の変化を期待して見てくれます。
子どもが大好きな電車の題材なので、
導入がしやすいうえ、
文字数が少なく、短い時間で読めるので、
ちょっとした空き時間に読んであげるといいでしょう。
すごくシンプルですが、
子どもが絵を集中して見て、
自分で変化を発見する良い絵本だと思います。
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