なかわみわ 作
童心社 出版
おすすめ年齢:3~5歳児
■あらすじ■
くれよん達はケースで寝ていました。
朝、目が覚めると「きいろくん」がいません。
心配になってみんなできいろくんを探して回りました。
でもどこにも見つかりません。
仕方なくくれよん達はケースに戻って休むと、
次の日にはちゃいろくんとおうどいろくんがいなくなっていました。
その次の日もあかさんとピンクちゃんがいなくなってしまったので、
みんなで作戦会議をしました。
「今日は寝ずに起きてみんなをさらうお化けを捕まえよう!」
その夜くれよん達はがんばって起きていましたが、
とうとう眠ってしまって…
■レビュー■
毎日友達が一人(一本)ずついなくなるという
ホラー展開で始まります。
子ども達はこういったハラハラする展開が大好きなので、
1ページ目から興味を持って話を聞いてくれます。
とうとうくれよんが半分以下になってしまった時に、
くれよん達がお化けを見つけて捕まえよう!
と決心し、がんばって寝ずに起きています。
お化けを待っている間、怖いから歌を唄ったり、
怖くないって言い聞かせたりする姿がかわいいですね。
とうとうくろくん一本だけになってしまいますが、
くろくんはみんながさらわれた場所を突き止めますが、
そこはネズミの親子の家でした。
ねずみのおじいさんが高齢で元気が無いから、
絵を描いて元気を出させてほしいとお願いされたのです。
くろくんが来たことによって素敵な絵ができましたが、
おじいさんは息を引き取ってしまいます。
でも顔がとても穏やかになっており、
「きっと天国のおばあさんと会っているんだよ」とねずみとクレヨンは納得するのですが、
悲しいけれど、死というものは次に繋がるもの
ということを教えてくれます。
ホラー展開からの家族の死という場面を
子ども向けに優しく描かれています。
■読んだ子どもの姿■
1ページ目から始まるドキドキの展開に
目を見開いて絵本にかじりついてくれます。
くれよん達がお化けを捕まえようと起きている場面では、
おばけの影が少しずつ近づいてくるので、
「あ、お化けが来る!」「起きて!」
などとくれよん達にがんばって教えようとする姿があります。
最後にねずみのおじいさんが亡くなる場面では、
「僕のおばあちゃんもこの前天国行ったんだよ」
と話をしてくれたりします。
読み手の大人が、
おじいちゃんはきっとお空で幸せにしているよ
などの言葉かけをすることで、
「死は悲しいだけじゃないよ」ということが子ども達に伝わるでしょう。
くろくんシリーズの中でもハラハラドキドキする内容ですのでぜひ。
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