内田麟太郎 文
山本孝 絵
岩崎書店 出版
おすすめ年齢:3~5歳児
■あらすじ■
ある年の年末に神様が動物を集めておふれを出しました。
「新年の正月にこの御殿に来た順の
12番目までの動物にその年の大将に任命しよう。」
動物達は大喜びで正月の競争に備えた。
中でも猫はとても張り切っていたが、
張り切りすぎて御殿に行く日を忘れてしまいました。
そこでねずみに、御殿に行く日はいつかと聞くと、
「新年の2日だよ」と嘘をつかれました。
さあいよいよ新年の正月が近づいてきて…
■レビュー■
干支の由来である、十二支のおはなしです。
1月1日に御殿に着いた動物の中で12番までに入ったものに、
その年の大将を持ちまわりで任命するという話です。
牛はしっかり者で前日からスタートしましたが、
ねずみは楽しようと、牛の背中にこそっと乗ります。
まったく自分は疲れずに、御殿の門前で牛から降りて一番になりました。
猫にも「2日に御殿に行く」と嘘をついたりと、
かなり小賢しい性格をしています。
昔話にはこういった意地悪な性格な動物がよく出てきますが、
大体の話は、その意地悪な動物が最後は懲らしめられるものですが、
この話ではねずみは見事1番になり、最初の大将に任命されてただ得をするだけなのが
面白いですね。
犬猿の仲というように、
犬と猿がケンカするぐらい仲が悪いから、
鳥が間に入って仲裁したから、
猿→鳥→犬 の順だということや
猫は嘘をつかれて12番に入れなかったから、
ネズミを恨んで今でもねずみを追いかけるだということなど、
いろいろな豆知識があり、
子ども達にとって良いでしょう。
十二支に何の動物がいて、どの順番なのかも知ることができます。
■読んだ子どもの姿■
いろいろな動物が出てくるので、
どの動物が一番になるのか楽しみにしながら聞いてくれます。
ねずみの賢さに驚いたり、
竜の大きさにもびっくりしたりと、
飽きずに見てくれます。
年齢が高い5歳児などは、
「子丑寅兎…(ね、うし、とら、うー)」などと、
数え歌で一緒に唄ってくれる子もいます。
猫がねずみを追いかける理由も、
「なるほどー」と納得する姿も見られます。
知識としての十二支を知ることができる良い絵本ですのでぜひ
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