末崎茂樹 著
ひさかたチャイルド 出版
おすすめ年齢:2~5歳児
■あらすじ■
「遅くまで寝ないで起きてるとお化けが出るわよ」
ってお母さんによく言われるけど、
それって本当かな?
と主人公の男の子は思っていました。
おばけなんか怖くないし、
絵本に出てくるおばけは小さくて可愛いじゃん
よし、明日おばけを捕まえてお母さんを驚かせてやろう
男の子はおばけを捕まえに出かけました。
大きな虫取り網を持って、おばけを探してしると、
ねずみさんから「おばけは大きな森にいっぱいいるよ」
と教えてもらいました。
さっそく森に入っていくと、
木の陰にあやしいものがあって…
■レビュー■
おばけが本当に出るかどうかを疑問に持つ男の子のお話です。
確かに、絵本ではお化けはよく出てきますが、
実際に見たことある子どもはいませんよね(笑)
主人公の男の子はそんな子ども達の気持ちを代弁して、
お化け探しに行きます。
お化けを捕まえる道具に虫取り網を選ぶのがかわいらしいですね。
森についたら、木の間から白いふわふわしたものが見えますが、
ページをめくると違う動物の身体の一部分だということが分かります。
木の間の部分が切り取られている仕掛け絵本になっているため、
子ども達に読み聞かせる時にも注目を集めることができると思います。
同じ様に遮蔽物がある時と無い時で見える物が違う仕掛け絵本に
『きょうりゅうじまだいぼうけん』があります。
こちらの絵本とテーマは似ていますね。
おばけに見えていたものが、他の動物達だったので、
男の子はがっかりしていますが、
最後の方のページでは実際におばけがいっぱい森の中にいます。
ただ、男の子には見えていないのか存在を感知できていないのか、
まったく気づかずに家に帰ってしまいます。
おばけはいるけど、見えないもの
という概念を子ども達に自然と喚起する内容となっています。
「しめしめ見えてないぞ」っと言いたげなおばけの表情が面白いですね。
絵柄もとっても可愛いです。
■読んだ子どもの姿■
子ども達が大好きな”おばけ”が題材なので、
読み始めるとすぐに興味を持ってくれます。
冒頭の「おばけなんて本当にいるのかな」という
男の子の話に、「いるよー」「いないよね」という様々な反応を見せてくれます。
木々の間からふわふわしたものが見えるページでは、
「そこー!」「おばけいた」と指をさして教えてくれますが、
次のページで動物だとわかると笑ったりがっかりしてくれます。
最後に男の子がおばけに気づかないと、
不思議な表情で絵本を見ていたり、
年齢が高い子どもは、「見えてないね」
と状況を理解しています。
ページ数も長くもなく短くもなく、
まとまっていて読みやすいのでぜひ読んでみて下さい。
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