ひろかわさえこ 著
アリス館 出版
おすすめ年齢:2~5歳児
■あらすじ■
たぬきのくるみちゃんはカレンダーをじっと見ていました。
おばあちゃんの家に行く日はいつなのかをお母さんに尋ねました。
「今日がこの日だからあと七つ寝たら行く日よ」
そう言われて七つを指で数えると、指が足らなくなりました。
それから毎日「1つ」ずつ寝る日が減っていくことを嬉しく思いながら、
おあばあちゃんの手作りクッキーを食べることを想像したり、
お父さんとおばあちゃんに見せる写真を選んだりして過ごしました。
そして前日にくるみちゃんはお庭にあるお花をおばあちゃんのために摘みました。
「明日おばあちゃんにあげよっと」
そう思っていましたが、次の日におばあちゃんの家に行く前にお花を見に行くと、
しおれてしまっていました。
くるみちゃんがしょんぼりしながらおばあちゃんの家に向かうと…
■レビュー■
誰でも一度はしたことがあるであろう、
イベントまでカレンダーを見て、
一日ずつ近づいてくるのを楽しみにする姿が描かれています。
くるみちゃんは歳が小さいのでしょう。
七日を数えるのに片手じゃたりないため、5つまでしか数えられませんでした。
でもそのせいか、五日前になると「片手で数えられる!」ととても喜んでいます。
大事な日が近づくにつれ、
おばあちゃんの家でのことを想像したり、
プレゼントを考えたりとワクワクが募っているのが感じ取れます。
終始、くるみちゃん目線で描かれているため、
子ども達も感情移入しやすいのではないでしょうか。
『早く寝れば、その分早くおばあちゃん家に行く日が来る気がする』
という気持ちも子どもっぽくてかわいいです。
おばあちゃんにプレゼントしようとしたお花は枯れてしまったけど、
おばあちゃんにとって「くるみちゃんに会えた嬉しい気持ち」が一番のプレゼントだなんて
とても素敵ですね。
大人が読んでもとてもほっこりする内容です。
ひろかわさえこさんの絵のタッチもとても柔らかくて、
話の内容ととても合っています。
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■読んだ子どもの姿■
子ども達は小さくとも豊かな情緒を持っています。
そのため、おばあちゃんの家に行くことを楽しみにしている
くるみちゃんにはとても共感してくれます。
早くその日が来てほしいワクワク感
プレゼントが失敗してしょんぼりする気持ち
おばあちゃんの温かさに触れた心地よさ
など、いろいろな感情を共感してくれます。
普段はやんちゃな子もこの絵本を読んでる時は、
静かになって聞いてくれていました。
年齢が高い子ども達は、
「10まで僕数えられるよ」などと、
イベント日までの日数を数えることを話題に話してくれるでしょう。
大人も子どもも読んでて心地よい絵本ですのでぜひ
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