私しょうへーは保育士という職業についております。
保育士は他人の命を預かる職業ですので、
どの保育園も職員への「救命講習」の受講を
一年に一回以上受けることが義務つけられています。
そんな中大阪市では、
独自に「普通救命講習」というものを設けており、
受ける内容を統一して、
受講完了すると修了証を発行しています。
一次救命措置についても簡単に説明しますので、
保育園に勤務したての若手の保育士さんは参考にしてください。
大阪市の普通救命講習とは
大阪市が市内在住の方、市内の事業所に勤めている方に向けて、
救命措置を学ぶための講習を開いているものです。
内容により、普通救命講習Ⅰ、Ⅱ、Ⅲに分かれています。
内容
普通救命講習Ⅰは、
呼吸や心臓が止まったときに大切な「AEDの使い方」を含む心肺蘇生法を学んでいただく講習で、主に成人に対する処置の方法を学んでいただきます。
となり、心肺蘇生法の基本について学べます。
救護対象は成人を想定しています。
普通救命講習Ⅱは、
普通救命講習Ⅰの内容に、心肺蘇生法に関する筆記と実技の試験が加わったもので、一定の頻度で心停止者に対し応急の対応をすることが期待・想定される方を対象とした講習です。
となり、講習Ⅰに加えて試験が加わっています。
また、受講対象が学校教師や保育士などの応急の対応が期待される方となっています。
普通救命講習Ⅲは、
呼吸や心臓が止まったときに大切な「AEDの使い方」を含む心肺蘇生法を学んでいただく講習で、主に乳幼児及び小児に対する処置の方法を学んでいただきます。
となっており、講習Ⅰの内容に乳幼児や小児への対応が加わっています。
そのため、ほとんどの保育園は普通講習Ⅲを受講することになります。
普通救命講習Ⅰ~Ⅲの受講対象者ですが、
どの講習も、
・大阪市内に居住している方、市内の事業所に勤務している方、市内の学校に在学している方。)
(原則として中学生以上)
となっておりますので、大阪市民や勤務先が大阪市の方は誰でも受講することが可能です。
一次救命処置
ここからは一次救命処置について簡単に説明します。
これを知っているだけで、救える命があるかもしれません。
一次救命処置の手順
・倒れている人を発見
↓
・反応を見る
(呼びかけに応じるか、身体は動いているか)
↓
・119番通報、AEDの手配
(周りの人を呼び、通報とAED捜索をお願いする)
(自身は倒れている人のそばを離れない)
↓
・呼吸の確認(息をしているか)
↓ 息をしていなければ、
・胸骨圧迫と人工呼吸を開始する。
(胸骨圧迫30回⇒人工呼吸2回⇒胸骨圧迫30回⇒人工呼吸以下繰り返し)
↓
・AEDが到着すれば使用する。
↓
・AEDが必要か心電図解析
↓ (必要なら電気ショック使用、必要ないなら胸骨圧迫を再開)
・電気ショックを行う。
↓
・救急隊が到着するまで胸骨圧迫を再開し行う。
ざっくりと書くとこの流れになります。
どこかで意識が戻れば、救急隊の到着まで安静にするようにします。
覚えておいた方がいいのは、
胸骨圧迫30回と人工呼吸2回がセットになっていることです。
人工呼吸に抵抗があれば必ずしも行う必要は無く、
胸骨圧迫を続けることが大切だそうです。
胸骨圧迫のペースは1分間に100回~120回になるのがよく、
分かりやすい例えですと、
「アンパンマンマーチ」のテンポで行うとちょうど良いそうです。
この知識を知ったうえで、救命講習を受講し、
実際にマネキン相手に実戦練習を行うと、身に付きやすいと思います。
一次救命処置の必要性
後述する「家庭の救急ノート」からの抜粋ですが、
意識の無い人に救急車が到着するまで救命処置をした場合と
しなかった場合では、救命の可能性が大きく変わります。
グラフを見てもらうと分かりますが、
救命処置をした場合の方が、確実に救命確率が高くなります。
そのため、もしも救命処置が必要な人に遭遇した場合のためにも
心肺蘇生法について知っておくことは大切です。
講習を受けると貰えるもの
修了証
講習を受講完了すると修了証が貰えます。
上部には大阪市のどの区で受けたかが記され、
名前と交付日が記入されます。
裏面には再受講の記録を書く欄があります。
救命講習は一度受けて終わりでなく、定期的に受けることが望ましいです。
知識や技術は忘れてしまいますからね。
家庭の救急ノート
講習で学んだ内容である、
一次救命処置の手順や心肺蘇生法について書かれています。
その他、喉に異物を詰まらせた時の対応や
応急処置の方法についても載っていますので、
お家や職場に置いておくと、
もしもの時に対応をすぐ調べることができます。
まとめ
大阪市が行っている普通救命講習について記しました。
他の都道府県、市でも救命講習は行っていますが、
大阪市は修了証があったりと独自性がありました。
救命措置の知識は誰もが持っていることが望ましいため、
受けたことが無い方はぜひ受けてみてください。
保育士さんなら、園が毎年受講をさせていると思うので、
これを知っていれば助かる命がある、と思って受けてみてください。
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