こすぎさなえ 作
たちもとみちこ 絵
PHP にこにこ絵本 出版
おすすめ年齢:3~5歳児
■あらすじ■
あるところに「時計の国」がありました。
時計の国の王様の顔には二本の針があり、時計の様になっています。
この国では王様の時計に従って国民は生活をしています。
6時になると起きて、7時に朝食、8時に仕事…といったように、
きちんと時間を守って生活をしています。
もし時間を守らないと牢屋に入れられてしまいます。
しかし、時計の王様はとてものんびり屋で自分勝手でした。
6時になっても「まだ寝ていたい」、5時になっても「もっと遊んでいたい」
といつも思っていました。
そしてある日、自分の「短い針」をこっそりと隠してしまいました。
次の日6時になっても時計が鳴らなくなってしまい…
■レビュー■
時計の国の王様の顔が時計になっていて、
その時計に従ってみんな生活をしているという、
単純明快な設定です。
その中で、時計の仕組みである「短針と長針」についての説明や、
何時になると朝ごはん、昼ご飯、寝る時間などのイメージを分かりやすく描いています。
みなさんも一度は思ったことのある、
「もっとこれをしていたい」「時間を守るのはめんどくさいな」
といった考えを王様がしてまいますが、
実際に時間を守らないと困ってしまうよ
といったことが疑似体験できます。
文字数も多くなく、テンポよく話が進むため、
読み手も読みやすい絵本となっています。
このお話、何かに似ているなと思っていたら、
『おしゃべりなたまごやき』
のお話と少し重なる部分がありますね。
王様が自分がしたことで重大な結果を招いてしまって、
こそっと解決に向けて帳尻を合わす部分が。
おしゃべりな卵焼きと違い、文字数は少ないうえ、
シンプルにまとまっているので、
年齢の低い子どもにも読みやすいと思います。
■読んだ子どもの姿■
年齢の低い子どもには時計の仕組みは分かりにくいかもしれませんが、
時間を守ることの大切さはこの本を読む中でイメージできることでしょう。
4、5歳になると、
時計を読めるような子どももいるため、
時計の王様の文字盤を読んで
「8時だね」「おやつの時間だ」
などと言って、実際の生活に置き換えて発言してくれます。
王様が「もっと寝ていたい」などと言う場面では、
「早寝早起きしなきゃね」や「時間守らないと」と、
王様を諫める姿も見られます(笑)
子ども達の身近にある、時計を題材にしている絵本ですのでぜひ
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