中川ひろたか 文
はたこうしろう 絵
アリス館 出版
おすすめ年齢:4歳~小学生
■あらすじ■
僕とお父さんとお母さんとでキャンプにでかけました。
夜にお父さんが僕を起こして、
「もうすぐ夜明けだからおいで」と言った。
まだ暗いけど、空を見上げると星がとてもきれいだった。
「あ、オリオン座!」お父さんが星座について話してくれた。
お母さんも詳しいし、僕はどんどん楽しくなって…
■レビュー■
はたこうしろうさんの可愛くて優しい絵ですが、
内容は少し年齢が上の子ども向けとなっています。
オリオン座の発見から、十二星座の話、
月の話から太陽と太陽系の話になり、
太陽はとても大きいけれど、
オリオン座のベテルギウスはその1000倍以上も大きいという話まで広がります。
小学生が読む図鑑までは詳しくないので、
幼児期の天文の入門書としておすすめです。
難しい話の中にもお父さんのダジャレや
お母さんのツッコミがあり、雰囲気が堅苦しくなっていないので、
読んでいて疲れません。
決して多くないページ数の中で、
「オリオン座とさそり座の関係」や「太陽がないとどうなってしまうのか」、
「人類はロケットで宇宙のどこまで行ったのか」などの知識を
分かりやすく載せています。
星は空にあって小さいもの、地球は地面、といった思い込みから、
天文学的事実を学ぶのにちょうど良いでしょう。
タイトルの「ぼくは宇宙人」という言葉についても
終盤に触れています。
■読んだ子どもの姿■
年齢の低い子どもには少し難しいので、
読んでいる間ポカーンとした表情を浮かべますが、
それでも絵のタッチが柔らかいので聞いてくれます。
4歳後半や5歳児、小学生になると、
「それ知ってるー」「そっかー」などと、
自分の知っている知識と比べたり、
話の内容を理解していて驚く姿が見られます。
中には「宇宙って空気ないんだよ、だから息できないんだよ」
などと、絵本の内容から話を連想付けて話す子どももいたりと、
その後の反応が面白いです。
小学校の勉強ほど固くも深くもないが、
その過度期の入門にふさわしい絵本ですのでぜひ
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