モーリス・センダック 作
じんぐうじてるお 訳
冨山房 出版
おすすめ年齢:4~5歳児
■あらすじ■
ある日、暴れん坊のマックスが
オオカミの着ぐるみを着ていたずらや脅かしなど、
大暴れをしました。
怒ったお母さんは、
夕飯を抜きにしてマックスを寝室に閉じ込めました。
でもマックスはまったく懲りずにいると、
寝室に木や草が生えて、壁がなくなって見知らぬ場所になりました。
海が出来て船があったので、
マックスは何週間も船に乗り、
見知らぬ島に着きましたが、
そこはなんと”かいじゅう”たちの住む島でした。
すごい声で吠えて、すごい歯を鳴らして、すごい目玉をぎょろぎょろさせて、
すごい爪をむき出している怪獣達にマックスはどうするのでしょうか…
■レビュー■
マックスの不思議な体験が描かれているのですが、
文章が全て第三者がマックスの様子を見ているかのような書き方、
客観視の文章となっています。
外国の絵本が元になっているのですが、
とても勢いがあり、マックスの暴れん坊な性格も相まって
どんどん読み進めてしまいます。
しかしマックスは怖いものなしですね(笑)
着ぐるみを着ながら暴れたことをお母さんに怒られても、
「おまえも食べてやろうか」と怪獣役を続けますし、
見知らぬ海を何週間も漂流しても寂しがらないですし、
かいじゅうたちの島に着いても逆に怪獣たちを従える王様になってしまいます。
でも最後には寂しくなって、お腹もすいたので帰りたいと思うところは、
子どもらしくて可愛いですね。
途中、文章がなく、絵だけのページが挟まれますが、
怪獣達とマックスの楽しく踊る姿がよく描かれています。
■読んだ子どもの姿■
お母さんを逆に驚かす場面では、
「こんなこと言ったらダメだね」などとマックスの行動をたしなめる姿があります。
でも段々とマックスの行動に興味を持ってきて、
かいじゅうたちを従えるときには「すごいね」と驚きます。
文章がないページでも、
子ども達が絵を見る時間を十分にとると、
頭の中でいろいろと想像を働かせてくれますよ。
また、子ども達は繰り返しの言葉が好きなので、
怪獣たちの特徴を言う時の「すごい○○」の繰り返しでは、
喜んでいる姿も見られます。
海外絵本の訳絵本の中では有名な作品ですので、
一度読んでみてください。
とてもユニークなストーリーですよ。
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