三びきのやぎのがらがらどん(絵本)やぎの兄弟それぞれのトロルへの対応に注目の名作

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絵本レビュー
ノルウェーの昔話
マーシャ・ブラウン 絵
せた ていじ 訳
福音館書店 出版
おすすめ年齢:2~5歳児
■あらすじ■
昔あるところに三匹のやぎがいました。
名前はどれも『がらがらどん』といいました。
ある日山の草場で草を食べようと出かけましたが、
その山の頂上へ行くには橋があり、そこを渡らなければならないのですが、
橋の下に気味の悪い恐ろしい『トロル』が住んでいました。
橋の近くを通る動物を脅かしたり、食べたりするトロルがいるところを通り抜けて、
三匹は無事に山の草場に行けるのでしょうか…




■レビュー■
言わずと知れたノルウェーの昔話で、超有名な名作です。
話もテンポ良く、短いので気軽に読むことができます
一番小さいやぎから順番に、中くらいのやぎ、大きいやぎと橋を渡っていくのですが、
小さいやぎは少し弱そうな言葉で「あとの兄弟の方が大きいから食べ応えがあるよ」といい、
中くらいのやぎは落ち着いて「すぐ後に来る大きいやぎの方が大きいよ」といい、
大きいやぎは最初から戦闘モードで蹄と角で戦います。
三匹の態度や対応が違っていて面白いですし、
下のヤギ達はとても頭の良い対応をしています。
これがもし逆の順番だと、下のやぎ達の作戦は通用しないでしょう。
(といっても大きいやぎがトロルを倒していまいますね 笑)
また橋を渡る時に出る軋む音も
「カタコトカタコト」「ガタゴトガタゴト」「ガターンゴトーン」
とやぎの大きさによって違いを生んでいるのも情景がイメージしやすいです。
絵本の表紙の三匹のコミカルな動き、大きさの差と、
トロルのところに来た大きいやぎのサイズが違いすぎて面白いです。
(威圧感で大きく見えるのかもしれませんが 笑)
■読んだ子どもの姿■
トロルという怪物にヤギ達が食べられてしまわないかと
ハラハラしながら絵本を見る姿が見られ、
感情移入したように、下のやぎ達が無事に抜けるとホッとした表情を浮かべます。
大きなやぎがトロルを木端微塵にして倒す場面では、
子どもも大きなやぎを応援し喜ぶでしょう。
やはり子どもは戦いごっこが好きですからね。
4、5歳になると「大きいやぎは角が大きいから強いだね」
「身体大きいから橋で大きな音がするんだね」などと、
やぎ達の大きさの違いに気づき
自分達も保育園の中では大きい組なことも意識することにつながります。
子どもは繰り返しの話に興味を持ちやすく、
それも3回という黄金回数(少なくもなく長くもないちょうどいい回数)なので、
自然と話に引き込まれます。
また読み手の大人がやぎによって口調や語気を変えて読むことで
より兄弟の違いが子どもに伝わるので、
読み手の練習教材としても最適です。
一度は読んだことがあるでしょうが、
とてもおすすめなのでぜひもう一度。
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